3.印刷会社と特許

特許も日本の工業、特に製造業と密接に関わっています。工業分野での技術の革新や進歩の歴史は、それはそのまま言い換えれば特許の歴史でもあります。印刷の世界でもまた例外ではありません。ここでは印刷と特許にまつわるお話をしていきます。
印刷関連業界が出願、登録する特許の多くは製造に関わる内容になっています。具体的には印刷機資材や印刷製品、印刷方式等であり、技術に関連する内容が多いことから、印刷機資材メーカーが多数を占めていました。それ以外にも大手印刷会社もいくつか特許を出願し、承認されています。
従来の技術とその関連型の特許以外に、近年注目されているものにビジネスモデル特許があります。これは目に見える技術、製品とは異なり、目に見えない商売の仕組みそのものが専売特許の対象となり、これが特許として認められれば他者がそれを真似できなくなるもので、ビジネスモデル特許が認められた会社には大きなアドバンテージとなります。従来の受注生産型、大量生産型モデルからサービス業化へ脱却を図っている印刷業界でも、今後ビジネスモデル特許への関心が大きくなっていくことは間違いないでしょう。
ビジネスモデル特許はアメリカで広く普及していました。日本が世界に名だたる技術大国だったせいか、ビジネスモデルにまで特許を適用するという考え方は日本の企業文化に根付かない部分もありましたが、近年は日本でも関心を集めてきました。現在は日本でもIT、電機、情報通信の分野を中心にビジネスモデル特許の出願が増えています。特にITの活用で成り立つものが多く、製造関係のみならず非製造業、サービス業等の分野からの出願もあります。
ビジネスモデル特許は、上手く活用すれば特定の分野で圧倒的に有利な立場に立てることから、その出願・登録を経営戦略の柱にすえる企業も多くなっています。受注産業と言われることの多かった印刷業界も、印刷業界が長年培ってきたノウハウと最先端技術を代表するITを組み合わせるなどして、広範かつ柔軟な新ビジネスモデルを創造・提供することが可能となります。実際印刷業界がここまでに生み出したビジネスモデル特許請願事項には顧客の出店計画支援や契約情報管理、通信販売サービス支援、広告の効果的な展開支援から市場開発、商品開発、販売手法における支援に至るまで、顧客の需要に応じて様々な分野に及んでいます。特許を申請する企業も従来は印刷機資材メーカー中心から、ビジネスモデル特許の普及に伴い、印刷会社で特許を請願する会社が増えています。

印刷会社がこうしたビジネスモデル特許の請願とそれに関連したビジネスへの参入は、特許を活かした新しい市場戦略の構築を可能にします。一方で場合によっては他業界、異業種との競合または協調・提携関係が生じてきます。また新しいビジネスコンテンツを立ち上げる場合、既存の特許に抵触する恐れも出てきます。従って印刷会社がビジネスモデル特許の請願と登録に乗り出す場合は、そのプラス面とリスクを十分に吟味しつつ、取り組んでいかなければなりません。

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Last update:2015/7/3